マンション投資をするなら外せない…「管理組合」との上手な付き合い方

おはようございます。大スケです。

大掃除をする前に2019年最後のブログを書きたいと思います。

僕がマンション投資家になって、「とても大切なことなのに、多くの投資家が手を抜きがちなこと」と強く感じたことがあります。

 

それは、「管理組合」と上手に付き合うことです。

そもそも、マンションには必ず管理組合という自治組織があります。
投資としてワンルームマンションを購入したオーナーも、自動的に管理組合の一員になります。

 

そこで今回は、そもそも管理組合が何のためにあり、どのような業務をおこなっているのかといった基本的な部分を確認してから、投資家として、管理組合とどのように付き合えばいいのかについて解説します。

 

【管理組合の組織体制と業務内容】

マンションは多くの人が暮らす共同住宅です。そこで、「建物の区分所有等に関する法律(略称:区分所有法)」では、共同住宅であるマンションを住民が自主的に管理するため、住民による自治組織として管理組合の設立を義務づけています。


管理組合は、区分所有者(住戸のオーナー)全員で構成される組織です。

目的はマンションの敷地、建物、および付属設備に対する管理を住人が共同しておこなうことであり、法律上では、居住者に限らず、すべての区分所有者が組合員として加入するものとされています。つまり、投資用マンションを買えば、不動産投資家も自動的にマンション管理組合に参加することになります(区分所有法第3条)。


管理組合の業務は、①共用部分の日常清掃業務②エレベーターや浄化水槽などの設備の保守点検③修繕工事の実施・手配、④大規模修繕工事計画の立案、⑤管理組合の運営など、多岐にわたり、国土交通省が定めている「マンション標準管理規約」だけでも17項目におおよびます。


これを、住人だけで管理するには限界があるので、実際には管理業務を管理会社に委託するケースが増えています。

国土交通省による「平成30年度マンション総合調査」によれば、「管理業務のすべてを管理業者に委託」している割合は74.1%、「管理業務のすべてを管理組合でおこなっている」割合は、6.8%となっており、大多数が業者に依頼している実態があります。
国土交通省「平成30年度マンション総合調査」http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

 

【管理組合の運営方法】

区分所有法第34条では、「管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない」と定められています。この「管理者」というのは、いわゆる管理組合理事長のことです。

この集会は「総会(組合総会)」とも呼ばれます。総会は組合の最高意志決定機関で、管理規約(マンション居住・共有部分の使用などに関するルール)の変更、理事の選出などは、この総会で決められます。また各組合員の管理費の費用負担比率なども総会で決められます。


総会は、全員参加が原則ですが、実際には興味がない、仕事が忙しいなどの理由で参加しない人も多く、その場合①議決権行使書を提出するか、②すべて理事長に任せるという場合には、白紙委任状を提出します。
また、日常の細かい組合業務についての意志決定はいちいち総会にはからず、理事長や理事で構成される理事会をつくり、日々の管理業務についての意思決定は理事会でおこなうことが一般的です。

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【管理会社への管理を委託するメリット、デメリット】

多くの管理組合が専門の管理会社に業務を委託しています。受託業者は、不動産やビルメンテナンスの専門業者で、日常的な設備管理から将来の大規模修繕まで、すべてを計画的に管理してくれます。

また、その際の管理費用等の管理も委託することができるので、管理者は業者にすべて任せることができます。一般的に、管理組合の理事とはいえ、ふだんは会社員などの本業があり、管理業務に時間も手間もかけられず、また専門知識もないため、業務委託のメリットは大きいといえます。

 

一方、業務委託をすれば当然のことながら委託費用が必要なことがデメリットです。

なお、管理組合から委託されて管理を行う建物管理会社と、オーナーが入居者管理(家賃管理やクレーム処理など)を委託する賃貸管理会社は別のものなので、混同しないようにしてください(実際には両方の役割を同じ会社が兼任していることもありますが、契約は別です)。

 

【管理費の使途と平均的な管理費額】

組合がおこなう管理にかかる費用は、区分所有者が管理組合に支払う管理費からまかなわれます。

国土交通省が指針を定めた「マンション標準管理規約」には、管理費の内訳が11項目にわたって書かれていますが、中でも次の3つの費用が大きな比重を占めます。

①共用部分の維持管理費用
電気代・水道代、エレベーターの保守・点検費用、共用部にかける火災保険等の保険料、廊下などの照明器具の交換・修理、清掃員の人件費など。


②管理会社に支払う費用
管理会社に委託する場合の業務費、管理員が管理会社から派遣されている場合の管理員の人件費など。


③管理組合の運営費
管理組合理事会で必要な資料購入・印刷費、コミュニティ形成のための行事費用など。

管理費の相場は、立地やマンションの戸数によっても変わってきますが、前出の「平成30年度マンション総合調査」によると、1戸当たりの管理費の全国平均は月額10,862円です。マンションの規模が小さくなるほど、管理費は高くなる傾向があります。いずれにしても、これはマンション投資にかんする必要経費となりますので、忘れずにチェックしたいところです。

 

【投資用マンションのオーナーだからこそ、管理組合には積極的に関与すべき】

仮に、自分がそのマンションに住み、後々売却する気もないのなら、極端にいえば、管理状態が悪くても自分が気にならなければいい、という考え方もあるでしょう。


しかし、投資用マンションのオーナーにとって、管理費の多寡は、収益(利回り)に直接影響します。また、管理内容(普段の清掃や大規模修繕など)は、間接的に空室率にも影響しますし、将来の売却の際、査定にも影響します。


そう考えると、本来は、投資用マンションだからこそ、オーナーは管理にも気を配るべきです。ところが実際には、投資用マンションのオーナーで、管理に興味を持って管理組合に積極にかかわろうとする人はごく少数です。それでも、管理組合がしっかり機能し、管理会社がきちんと仕事をして高い品質の管理状態を保っているのなら問題ありませんが、往々にしてそうなりません。

なぜなら、オーナーの管理組合への関心が低いと、管理組合の活動は低調になります。管理組合活動が低調になると、管理会社の中には、「どうせ管理組合は何もいわないから」とたかをくくって、管理業務を手抜きする会社もことが多くなります。

そのような状態が続けば、大切なマンションの資産価値を脅かすよう事態にもなりかねません。たとえば、マンションの共有部分を住民が好き勝手に使って私物が置かれたり、エレベーターなどの設備が壊れてもそのままだったり、外壁や床が汚れたりといった事態が進むと、建物全体としての価値が下がってしまいます。防災上も好ましくありません。

 

【管理組合に対するチェックポイント】

管理組合には、管理会社の管理費用・修繕費用の額が管理内容と比べて適切かどうかをチェックする役割もあります。

投資家としてはコストの部分をコントロール下に置くべきなので、できるだけ総会には主体的に出席し、場合によっては理事を経験してみるくらいの姿勢が、投資に対するリターンを高めるのではないかと思われます。ちなみに、僕は1物件(ワンルームマンション)の管理組合の理事長を務めています・・・笑。

 

とりえず、年に1度送られてくる管理組合総会の書類(総会の議案書)で確認することは必須です。総会の議案書は開催日の約1~2週間前にオーナーの自宅に届きます。議案書が送られてきた際には、次の7つのチェック項目を参考に議案を確認し、健全な建物管理が実行されているかをチェックする必要があります。

①管理費会計・修繕積立金会計それぞれに収支表や賃貸貸借表があるか
②銀行口座の残高証明書は添付されているか
③監査報告書に監事の署名捺印はあるか
④赤字決算になった際には原因が報告されているか
⑤組合のお金の管理について、通帳と印鑑が別々に管理されているか
⑥管理費・修繕積立金の滞納状況(未収金)は報告されているか
⑦現在の修繕積立金の残高などを考慮して修繕計画が立てられていることが、きちんと説明されているか

 

もし不備があったら、理事に問い合わせたり、総会に出席してその場で質問したりするなどして、確認しましょう。

また、もしこれまでにおこなわれていない場合は、複数の管理会社から見積りを取ることを組合総会で提案してもいいでしょう。他の管理会社が低い見積りを提出してきた場合、リプレイス(管理会社を変えること)する選択肢もあります。当たり前の話ですが、管理会社は、管理費を削減されることを非常に嫌がります。しかし、それ以上にリプレイスを嫌がるので、管理費を下げざるを得ません。見積りを取ることは多少手間がかかりますが、管理費はぐっと下がる可能性があります。

 

以上、

マンション経営で長期的安定的に家賃収入を得るためには、マンションの資産価値を自分の手で守っていくという意識が大切です。そして管理組合に積極的に関与していくことは、その一助となります。
ぜひ、建物管理にも関心を向け、資産価値をしっかり守っていきましょう。

 

ちなみに僕の信頼している管理会社は日本財託です。ぜひ、一度セミナーに足を運んでみる価値は十分にあると思います。

では、よいお年を!