生活保護申請を考えている方は必見!!市役所に相談時するとき、担当職員に必ず確認されることは?

 

生活保護を申請したい。けど、福祉事務所(市役所)に相談するときに何を準備しておけばいいのか?担当職員に何を確認されるのか?」

 

このような疑問、不安を抱えている方は、この先を読んでいただければ、課題が整理されると思います。

ちなみに、僕は元ケースワーカーであり、現場で多くの生活困窮者の相談、支援を行ってきました。

実際に、生活困窮者が福祉事務所(市役所)に来所して、「生活保護を申請しいたいです。」と意思表示しても、すぐに申請書を受け付ける運びにはなりません。

1時間~2時間程度の面接を行いながら本人の生活状況を把握したうえで、生活保護の必要性を確認します。場合によっては、生活保護制度ではなく他の制度を活用することで問題解決できる可能性があるからです。(あくまで生活保護制度は最後のセーフティネットです)

 

そこで、今回は生活保護の面接相談で担当職員から必ず確認される事項」について自身の経験を踏まえて話したいと思います。

 

なお、福祉事務所(市役所)に相談する前に生活保護制度の概要・仕組みについて、ある程度理解しておくことが望ましいです。過去記事に掲載されているサイトが非常に分かりやすいので、参考にしてください。

koumuin-sisanka.hatenablog.jp

 

目次

①相談の理由・背景等

まず、最初に「相談の理由について教えてください」と必ず聞かれます。

その場合は、以下のとおり簡潔に話せばよいです。いろいろと頭の中が混乱している状況だと思いますが、生活に困窮している主な原因(結論)だけを最初に話してもらえると話が進みやすいです。

・失業(リストラ、人間関係が原因で仕事を辞めた等)で収入が途絶えた。

・離婚して収入が激減し、相手側から養育費をもらえないため、生活が苦しい。

・病気(障害)で仕事をすることができない。また、医療費を支払うことができない。

・高齢で働けないし、年金だけでは生活ができない。

などが一般的に多いですね。その他にもあると思いますが、生活維持が厳しいことを簡潔に話してくれればよいです。

 

②世帯状況

生活保護制度は世帯単位で取扱うので、世帯構成は必ず確認します。また、住居状況(持家又は借家)についても確認します。(借家の場合は住宅扶助(家賃)の支給対象になるからです)

 

③収入状況

生活保護制度では、入ってくるお金は全て「収入」として取扱います。具体的には以下について確認します。

・給与(直近3か月分の給与明細を持参するとよいです)

・年金(年金手帳、年金事務所の通知所を持参するとよいです)

・他制度の還付金(関係通知書を持参するとよいです)

・親族・知人等からの支援金

などです。

※基本的には所得税の課税対象となるものは全て申告してください。

 

④資産状況

生活保護制度では、生活費を賄うために保有資産を有効活用(換金等)することを原則としています。具体的には以下について確認します。

・預貯金の残高(通帳を記帳して持参するとよいです)

※預貯金が数十万円以上ある場合は、まず自身の生活費に充てるよう促されます。そのため、生活必需品の購入や借金の返済などの目的がある場合は、申請前に出来るだけ清算しておくことをオススメします。(保護申請後は預貯金の目的外使用が出来なくなります)

 

・自動車の保有状況(車検証、自賠責、任意保険の書面を持参するとよいです)

※自動車の処分可否については、保護決定後に生活状況に応じて判断しますので、「処分しなければ申請できない」と誤解しないでください。仕事や通院(障害の場合)で自動車が必要不可欠と判断されれば、保有を認めています。なお、ローン付自動車は無条件に保有を認めていません。(ローン返済は生活保護制度の支援対象外であり、保護費から返済することを認めていません)

 

・不動産(土地・家屋など)の保有状況

※自宅(処分価値の低い土地、家屋に限る)であれば、生活拠点として保有を認める場合はあります。なお、処分可否については、保護決定後に判断しますので、「処分しなければ申請できない」と誤解しないでください。また、ローン付不動産は無条件に保有を認めていません。(ローン返済は生活保護制度の支援対象外であり、保護費から返済することを認めていません)

 

・換金性のある高価なもの(指輪、ネックレス、時計など)

※処分することが社会通念上、望ましくないもの(結婚指輪、親の形見など)は処分を保留することができます。

 

⑤扶養義務者の状況

扶養義務者については、3親等(祖父母・父母・子・孫)までの関係性を聞かれます。生活保護制度では、扶養義務者からの支援が優先されます。支援を受けることが難しい場合は、明確な理由を話してください。具体的には以下のとおりです。

・DV被害で逃げている。

・険悪な関係で長期間、音信普通である。

・親が年金暮らしであるため、支援する余裕はない。

・子、孫は所帯持ちであり、家族の生活で精一杯である。

などです。

 

保護の有無を判断するために、保護申請後に扶養義務調査を行う必要があります。具体的には、戸籍調査で扶養義務者の居所を把握し、電話・書面・自宅訪問といった方法で申請者に対する扶養意思を確認します。

なお、申請者の状況が扶養義務者に伝わることにより、申請者の生命、財産などに危険が及ぶおそれがある場合は、扶養義務調査を省略することもできます。

 

⑥医療・介護の状況

毎月の支払い、通院先(入院先)・通所先(入所先)について整理しておきましょう。障害のある方は、障害手帳の有無や各種医療費助成制度(自立支援医療、重度心身障害者医療費支給制度)の活用状況について整理しておきましょう。

 

⑦借金の有無

隠さずにきちんと伝えましょう。もちろん借金の返済は支援できないため、法テラスで債務整理を行う必要があります。

 

以上が、面接時に担当職員から確認される最低限の事項です。これだけは相談する前に整理しておきましょう。そうすれば、相談時は落ち着いて話を進めていくことができ、生産的な解決に繋がると思います!!

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