これぞ女帝!小池百合子!

 女性初の東京都知事であり、女性初の総理候補とされる小池百合子


僕は埼玉県民ですが、この本は一読の価値がある作品です!

400ページ以上の長編になりますが、読み始めると、もう止まらないです。

本書を読み終えて、「政治の世界の恐ろしさ」、「マスメディアの脆弱さ」を強く感じざるを得ませんでした。

 

僕は、小池百合子氏のことをテレビ越しで見ている人物としては好きでした。

流暢な話し方、歯切れの良い言葉、政治家やメディアからの追求に動じないクールさ、何よりも時代の流れを掴む圧倒的センスに女性政治家としての魅力を感じていました。

 

しかし、本書では、彼女のことを極めてネガティブに描いています。目的を達成するためなら手段を選ばない彼女の非道さ。最後まで、「マジかよ・・。」の連続でした。

 

高校時代から英語の勉強に励み、校内では「英語少女」と呼ばれていたため、将来は英語を駆使して世界の舞台で活躍するものと思われていた。しかし、英語では競争相手が多すぎると考えるようになり、たまたま父親の書棚から中東関係の本を見つけたことを契機に、アラビア語を学ぼうとエジプトの超名門校カイロ大学に留学することを決意した。

 

そこでは、彼女は「自分の人生をマーケティングしていたのだ」と語っていました。

要は「何をやりたいか」ではなく「どうすれば圧倒的に勝てるか」を常に考えていたのです。競争相手が少なく、自分の希少性が高める方法を高校時代から考えていたとすれば、彼女は自身のマーケティングに長けていたことが分かります。

 

「日本人女性として初めて超名門校カイロ大学を首席で卒業したという経歴」は、他の女性との差別化に大きな役割を果たし、自身の希少性を高めました。その事実を武器に彼女は、多くの著名人や権力者を味方につけ、権力の階段を上り続けていくのです。

 

しかし、本書では「彼女の学歴詐称」について、あらゆる方面の取材をもとに徹底的に解説しています。

もし、学歴が偽りだとすれば、公職選挙法違反はもちろん、今までのキャリアの前提が全て崩れてしまうことになります。

それでも、彼女は手に入れた権力を武器にあらゆる人脈を駆使して、カイロ大学から「小池百合子氏は卒業した」とコメントさせています。本当に恐ろしい・・・。

過去に経歴の詐称疑惑をかけられた政治家が多方面からバッシングを浴び、政治の世界から姿を消していますが、小池百合子氏は彼らとは格が違うようですね。

 

この本に書いてあることがどこまで事実なのかは、正直分かりません。それでも、この本を世に出した著者:石井妙子さんの「使命感」、「覚悟」に対し敬意を表したいです。

 

何より「小池百合子は政治の世界のリーダーたりうる人物であるべきなのか」について真剣に再考する機会となりました。

 

是非、ご一読を!!