なぜ、日本は経済成長しないのか?【その1】
日本の財政状況は先進国の中で最悪であることは周知の事実ですが、経済成長率も最悪であることはご存知でしょうか。
ここ数十年で米国は7~8倍、中国は200倍近くの経済成長を遂げている一方で、日本はわずか2倍程度。
これじゃ・・いつまで経っても財政再建はできないどころか、借金が累積し、財政破綻に追い込まれるシナリオしか出てきません。
なぜ、日本は経済成長しないのか・・・?
素人なりにいろいろ考えてみたところ、以下2つの結論に至りました。
①「一生懸命頑張っている人がバカを見る」社会構造になっていること
②「円高から円安にならない」社会構造になっていること
今回は、上記①について解説したいと思います。
上記①のような社会構造になってしまう大きな原因の1つを挙げるとすれば、「日本の税金システム」です。
特に所得税と相続税の仕組みが多くの人の働くインセンティブを阻害しており、経済成長の大きな阻害要因になっていると考えています。
まず、所得税については「持てる者に多くの負担を課す」という累進性に問題があります。
日本では、所得税が課せられる最低限の所得である「課税所得」の基準が高いため、多くの人が所得税を支払っていない一方、お金持ちの人は、所得の多くを税金で持っていかれてしまいます。
実際に所得税を払っていない日本人の比率の多さは世界有数と言われています。
具体的な構造を簡単に説明すると以下のとおりです。
A 課税所得(所得から所得控除を引いた額)
B 所得税率
①Aが「900万円を超え1800万円以下の人」 → Bは33%
②Aが「1800万円を超える人」 → Bは40%
③Aが「4000万円を超える人」 → Bは45%
さらに10%の住民税が加われば、所得の50%前後を国に持っていかれてしまうわけです。
日本では失敗しても再起を救済する制度(自己破産など)は充実しているのに、成功しても大きなリターンを得ることができない仕組みが出来上がっているのです。
同じことが相続税についても言えます。
「将来、家族など大切な人のために多くの財産を残したい」と考えている人はたくさんいると思います。
しかし、いくら財産を築いてもそれを十分に残すことができない仕組みになっていたら、働くモチベーションはなくなりますよね。
世界的に見れば、相続税は「廃止又は減税」が現在のトレンドです。
世界でもっとも共産主義と言われている中国でさえも相続税はありません。
増税しているのは日本くらいです。日本は世界に逆行し、2015年には最高税率が50%から55%に引き上げられました。また、基礎控除額も引き下げられ、相続税を支払う必要のある人が大幅に増えました。
基礎控除額でいえば・・・・
2014年までは、「5000万円+1000万円×法定相続人の数」でしたが、2015年以降は「3000万円+600万円×法定相続人の数」になったのです。
☆☆まとめ☆☆
所得税と相続税に二重課税、それも過度の累進性をそのままにすれば「一生懸命働いている人がバカを見る」ことになり、働くインセンティブがなくなるため、社会全体の成長停滞・減退を招くことになるのではないか。
では、どうすればいいのか?有効な処方箋はないのか?
気になる方はこの本を一読することをオススメします。かなり分かりやすく、納得できる内容です。
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続きは次回のブログで。