住宅ローンで不動産投資をやるな!
「住宅ローンなら金利が安くて、審査も通りやすい。だから、不動産投資は住宅ローンを使ったほうがお得だね」
これから不動産投資を始める人で、このような手法を勧められたら必ずお断りしましょう。紛れもない違反行為です。
不動産投資の一番の醍醐味は、ローンを利用することによって、少ない資金で大きな資産に投資をすることができることです。これはレバレッジ効果といって、過去ブログで何回も解説しています。
しかしながら、多くの不動産投資の初心者が最初につまずいてしまうポイントがローンです。
本来は投資用ローンを組まなければならないのに、住宅ローンで不動産投資を始めてしまう人が一定数います。
基本的に投資用ローンを組んで不動産を買うためには、その物件の担保力はもちろん投資家の経験や実績、そして何より自己資金の大小を含めた属性評価が大きなポイントになります。
なのに、まったく自己資金や投資経験がなくても不動産を買うことができてしまうのが、住宅ローンです。
そこで、今回は①住宅ローンと投資用ローンの違い、②住宅ローンで不動産投資がダメな理由について解説したいと思います。
①住宅ローンと投資用ローンの違い
なぜ住宅ローンで投資をしてしまうのでしょうか。
それは、投資用ローンにはないメリットがあるからです。具体的には次の図のとおりです。(あくまで参考です)
|
投資用ローン |
住宅ローン |
2~4% |
0.7%~0.8% |
|
融資限度額 |
年収の5倍~10倍 |
年収の5倍~8倍 |
自己資金 |
物件価格の20%~ |
フルローンも可能 |
年収下限 |
500万円以上 |
300万円以上 |
勤続年数 |
3年以上 |
1年以上 |
住宅ローン控除 |
× |
〇 |
まず、住宅ローンは投資用ローンよりも金利が安いです。現在の金利では住宅ローンは0%台で借りることができます。
また、住宅ローンの返済は給与収入がベースになってきますので、審査がシンプルで借りやすいというのがあります。
さらに、住宅ローン控除が使えることも大きいです。住宅ローン控除とは、10年間で毎年残高の1%が税額控除になるという特典です。
ちなみに昨年9月末までに売買契約が済んだ人は、今年12月末までに入居すれば13年間控除が受けられます。
②住宅ローンで不動産投資がダメな理由
住宅ローンで不動産投資をすることは、融資元(銀行など)に嘘をついて資金調達する違反行為です。(※賃貸併用住宅の場合は、合法的に認められていますが、本記事は「ワンルームマンション投資」を前提とします。)
物件を取り扱っている不動産業者に「住宅ローンで投資ができますよ」とそそのかされて、業者に言われるがままに投資を始めてしまう人がいます。
不動産業界では「実需」と言われています。
僕の場合、元知人(※悪徳ブローカー)に実需を勧められて、危うく騙されそうになった経験があります。基本、ブローカー(特に個人)の中には不動産を買わせて仲介手数料(数十万~数百万)を得るために手段を選ばない輩が多いため、関わらないようにしましょう。
なお、不動産業者からは「住民票を移せばバレないから大丈夫」など言われますが、実際に次のようなことで違反がバレてしまいます。
・銀行からの郵便物が届かないで返送される
・銀行担当者の急な訪問
・不動産会社への調査
不動産業者は何とか物件を売ろうとするがために、住宅ローンを勧めるケースがあるため、この辺は本当に注意するべきだと思います。
では、バレてしまうと具体的にどうなってしまうのか。
結論からいうと、銀行から残債の一括返済を求められることになります。
その場合は、物件を売却して返済する又は他の銀行から借り換えして返済することになります。
しかし、物件を売って損がでれば借金が残ってしまいますし、借り換えて金利が高くなれば収益が逆転し、赤字に転落してしまうこともあるでしょう。
さらに、嘘がバレたら、当然その銀行とは一生付き合うことができなくなってしまいます。
以上。
これから不動産投資を始める際は、銀行に嘘を言って住宅ローンを利用しないことを心がけましょう!!