【必読!!】藤巻武史の資産運用大全

「資産運用について学びたいけど、何から始めたらいいか分からない」

「資産保全対策として、自分にとって何が一番いいのか分からない」

「投資にチャレンジしたいけど、リスクが怖くてなかなか踏み出せない」

 

など・・・

 

このような悩みを抱えている人は、是非この本を一読してほしいです。

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藤巻健史の資産運用大全 (幻冬舎新書) [ 藤巻 健史 ]
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本書は「来るべきXデー(ハイパーインフレ)を乗り切る際に極めて有効な金融商品の具体的な活用法」について説明した内容です。

 

今年の1月27日に発売された本です。

 

著者である藤巻武史さんは、「伝説のディーラー」と称されるほどの世界が認める実力者であり、長年にわたり金融市場の最前線で培った知識・経験に基づく考え方は非常にリアリティーがあり、学びの宝庫です。

 

「実務経験が豊富」であるからこそ、机上の理論だけを述べている経済評論家よりは「価値のある情報」を発信されていると僕は確信しています。

 

そこで、今回は本書の内容について紹介したいと思います。

が!!情報量がかなり多いため、僕個人が印象に残ったこと、面白いと感じたことをピックアップして、私見を入れながら紹介したいと思います。

1 なぜ、今ハイパーインフレが懸念されるのか

日本の財政赤字は世界最大級の規模で膨れ上がっており、もはや通常の運営では財政健全化を図ることは不可能な状態です。

 

さらに、今回のコロナ禍の影響で、世界各国が大規模な財政支出を発動し、大量の資金が市場に流れ込んでいます。

これを「財政ファイナンス」と呼んでおり、ハイパーインフレの引き金になることが過去の歴史で証明されています。

そのため、財政ファイナンスは原則禁止されていることが世界の常識なのであり、日本でも財政法第5条で禁止されています。

 

財政ファイナンスは、国の通貨供給量を増加させるため、必然的に法定通貨の価値が下落していきます。

 

金融知識のある一部の投資家は、リスク回避策として資金を手放し、資産(株、不動産など)を購入する方向に動くことできますが、ほとんどの人は自分の資金をタンスや預金口座に置いたままであり、資金の価値が下落していることをきちんと理解していないのではないでしょうか。

 

一般的にインフレ、デフレと聞くと「需要と供給のバランスの問題」とイメージする人が多いでしょう。

なので、ハイパーインフレはそのバランスが崩壊(供給破壊)したことで起こるものだと考えるのではないでしょうか。(僕もずっとその考えでした)

 

しかし、藤巻さんは、ハイパーインフレの発生原因を「日銀の債務超過による貨幣(円)の信用失墜」と述べています。

 

財政ファイナンスは、政府が発行する国債を日銀が購入して紙幣(円)を発行する仕組みなので、日銀が紙幣(円)を発行し続ければ、政府が財政破綻することないのです。

 

そこで、注目すべきなのが「日銀のバランスシート」です。

 

日銀のバランスシートの規模は、ここ20年余りで7倍以上になっています。その額はなんと665兆円!(2020年7月末現在)

 

この数字を見て「それが?」と思う人は多いでしょうが、藤巻さんはこの数字を「異常であり、国難」と強調されています。(詳しくは本書を読んでください)

 

要は、紙幣(円)の法定通貨としての価値は、日銀の財務の健全性に依っているのです。

 

なので、当然、日銀が債務超過に陥れば、世界中から円は信用されなくなり、通常の貿易、為替取引はできなくなるでしょう。

その結果、円は暴落し、ハイパーインフレ(Xデー)を招くのです。

 

日銀のバランスシートの規模が大きくなればなるほど、債務超過のリスクは大きくなり、ハイパーインフレのリスクも大きくなるという事実を知らなければならないのです。

 

藤巻さんは「もう日銀に出口戦略はない。唯一の解決策は日銀を廃し、新しい中央銀行を創設することである」と強調されています。

え?なぜ?・・・詳しい理由は本書を読んでください。非常に面白い内容です。

 

2 Xデーを乗り切るための資産運用

本書では、①債券先物、②為替先物、③株価指数先物、④債券先物オプション、⑤日経平均オプション、⑥為替オプションの6つの金融商品の活用法について紹介されています。

 

その中で僕が一番興味を持った商品は、④債券先物オプションです。

 

簡単に言うと、この商品は債券価格が下がる(金利が上昇する)ときに利益を得られる仕組みです。

現在、長期金利がほぼ0%であり、これ以上下がることは考えにくいので、Xデーの到来(金利の急騰)を踏まえると、上手くいけば数千万円単位の利益が得られる可能性があるのです。

ま、そんな簡単にいくわけないですが、宝くじや馬券より確率は高いと思います。

 

何より損失は商品の購入費3万円分だけであり、リスクが非常に低いため、投資初心者でも気軽にチャレンジすることができる商品だと思います。

 

気になる人、学びたい人は是非、本書を読んでください。

 

 

3 暗号資産の魅力・役割

これまでは個人投資家の短期売買で価格が形成されてきた暗号資産ですが、最近は避難通貨としての役割が大きくなっていると言われています。

 

コロナ禍による財政出動で、世界中にばらまかれた資金がリスク資産(金、株、不動産)に流れており、これらの資産価格が上昇しています。

 

それに関連して発行上限のある暗号資産(ビットコイン)もリスク資産(金、株、不動産)と同じ観点から魅力が高まっています。

 

実際、アメリカの電気自動車メーカーテスラが今年1月にビットコインを15億ドル購入したことが明らかになりました。

テスラ社は、今後車の購入代金をビットコインで受け取ることも可能にすると表明しています。


また、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)は、暗号資産の資産管理サービスを立ち上げると発表しました。

 

このように年金や保険会社のような機関投資家にも、暗号資産を資産のポートフォリオに組み入れる需要が高まっているのです。


ビットコインを始めとする暗号資産は、どれも値動きが激しく、投機の対象と考える人が多いと思います。

しかし、アメリカドルや日本円といった法定通貨の信用が財政支出の拡大によって下がっていけば、避難通貨として暗号資産の存在価値が高まっていくことになるでしょう。

 

このような意味から、現時点で避難通貨として買ってもいいのかな、と僕は思いました。

 

4 不動産投資の役割

これは僕の補足意見です。

本書は金融商品にしか触れていませんが、Xデー(ハイパーインフレ)から自分の資産を守る対策として、不動産投資は効果的だと思います。

 

これまでのブログで何回も話していますが、不動産投資はインフレヘッジとしてのメリットがあります。実際、避難先として多くの資金が不動産市場に流れています。

 

なお、株や暗号資産より流動性が低いという弱点もありますが、不動産投資は長期保有による安定したキャッシュフローを得ることが基本なので、投資するエリア、物件の選定を誤らなければ、非常に魅力的な資産となります。

 

特に金融機関から融資を受けてレバレッジを効かせる投資が可能なサラリーマンは、是非、自身のポートフォリオに組み入れることを検討してはいかがでしょうか。