良いインフレと悪いインフレ~輸入価格に隠された罠!
こんばんは!大スケです。
今日も経済についてマイシェアです・・・ま、単なる自己満足ですね!笑
前回の記事で日本経済が成長しない最大の原因は、デフレ(需要過剰/供給不足)であり、ここから脱却するためには適度なインフレ(需要不足/供給過剰)にする必要があることを話しました。
インフレは、需要が旺盛というわけですから、景気は良くなるし、物価は上がりますね。
ただし、インフレ=物価が高い=景気が良いと捉えるのは早計です。
当然ながら、「景気に良くないインフレ」もあります!
1970年代の石油ショックがもたらしたインフレが、典型例ですね。
輸入する原油の価格が上昇することにより、物価が上昇するような形で起きるインフレは、需要過剰で起きるインフレとは違います。
石油の価格が上がると、燃料費や材料費が高くなるわけですから、当然、企業の収益を圧迫し、個人の生活を苦しくします。
ポイントはここ!
日本には原油を生産する企業がほとんどないので、国産原油の需要が拡大して、国産原油を生産する企業が儲かる仕組みがないのです。
一方、牛肉の場合であれば、輸入牛肉と国産牛肉があります。
輸入牛肉の価格が高くなった場合には、確かに輸入牛肉を買う消費者の家計は圧迫されます。しかし、国産牛肉はより売れるようになるので、生産農家の収入は増えます。
輸入牛肉の価格が上がることは、消費者にとって迷惑な話ですが、生産農家にとっては需要の拡大につながるのです。
これは需要過剰で起きるインフレ=良いインフレですね。
つまり!
国内に競争相手のない製品やサービスの輸入価格が上がることは、確かにインフレを起こしますが、これは、企業や家計を圧迫して景気を悪化させる方向にしか働かないのです。
デフレの場合も同じです。さっきと逆の思考をたどればいいのです。
原油など、国内に競争相手のない製品やサービスの輸入価格が下がるのであれば、企業や家計は楽になりますね。
一方、国内産業を保護していた輸入関税が引き下げられれば、安い外国製品の流入によって、消費者は楽になるでしょうが、その国内産業は需要を失って苦しくなります。
国内産業が海外製品との競争に敗れて衰退すると、多くの企業が倒産し、多くの失業者が生まれます。
倒産した企業は投資せず、失業した人は極端に消費を減らすので、国全体の需要は減ります。さらに、多くの失業者が職を求めるようになれば、国全体の賃金水準も下がる方向に働きます。
まさに、輸入製品は安くなることがデフレ圧力になり、日本経済の低迷を招いているのです!
そういう意味で、TPPの加入はさらに日本経済の低迷へ拍車をかけるのではないかと個人的に心配でなりません。
暴論のように聞こえると思いますが、グローバル化(ヒト・モノ・カネの移動自由化)は、結果的に日本を破滅に追い込むのではないかと考えてます。この論点については、今後のブログを通じて紐解いていきたいと思います。
以上、
インフレやデフレが良いか悪いかは、単に物価が上がった下がっただけでは、判断できないことを念頭に置きましょう!