コロナなんて関係ない!?東京23区にしかない賃貸需要の「多様性」

不動産の投資エリアは東京23区が望ましいと聞くが、地方でも賃貸需要のあるエリアであれば、全く問題ないのでは?

 

僕は以前、地方の物件を取扱う多くの営業マンに上記のような説得(誘導?)をされました。

最初は口車に乗せられて、その気になってしまいそうでしたが、冷静になって考えた結果、やはり「不動産投資をやるなら東京23区だ!」という結論に至りました。

 

もちろん、プロの投資家であれば話は別ですが、僕のような公務員・サラリーマン投資家については、地方エリアの物件に安易に手を出すべきではないと考えます。

 

何より、コロナウイルスを契機に、地方エリアの賃貸需要が偏っている事実がはっきりするとともに、東京23区における賃貸需要の「多様性」という大きな魅力や可能性について一層確信を深めることができました。

 

そこで、今回は東京23区における賃貸需要の「多様性」について、解説したいと思います。

地方エリアの賃貸需要

学生の動向

コロナウイルスの影響で始まったオンライン授業は、現在も全国の大学で継続されています。

今年の4月から進学した新入生のなかには、実家で受講する学生も多くいます。さらに、外国人の入国制限も継続していることから留学生も減少しいてる状況です。

その結果、地方を中心に大学生の賃貸需要をあてにしていたオーナーは、大きな影響を受けています。

このように、ひとつの賃貸需要に偏ってしまうと、その需要が急減してしまったときに、賃貸経営が成り立たなくなるのです。


これは今回のコロナウイルスに限った話ではなく、過去の事例からも証明されています。

例えば、2013年の青山学院大学相模原キャンパスの移転。7000人の学生が東京へ移動した結果、最寄りの相模原駅周辺では、2万円まで家賃を下げても空室が埋まらないマンションやアパートが現れたのです。

 

また、中央大学法学部は、現在の多摩キャンパスから2023年に、文京区に誕生する新キャンパスへの移転が計画されており、約1500名の学生が都心に回帰する予定です。

他にも東京理科大学東洋大学など、都心へのキャンパス移転を計画する大学はいくつもあります。

会社員の動向

また、賃貸需要の変化は、学生に限った話ではありません。

リーマンショックの際には、大手電機メーカーのソニー東芝などが事業規模の縮小で地方の工場を閉鎖し、従業員の配置転換などが行われました。もし、このエリアで工場以外の賃貸需要がなければ、賃貸経営は厳しい状況に追い込まれることになります。

コロナウイルスを契機に事業規模の縮小による地方の工場の閉鎖といった動きが加速する可能性は大きいと思われます。

 

不動産はいったん購入してしまうと、買い替えるのは簡単ではありません。
賃貸需要が無くなったから売ろうと思っても、入居者がつかない物件を買う人はいないでしょう。

 

東京23区の賃貸需要

不動産投資を始める時には、「人が集まる」ことに加え、「賃貸需要が複数ある」エリアの物件を選ぶことが大切になってきます。その条件を唯一クリアするのが『東京23区』です。学生、会社員、その他外国籍の方々など、賃貸需要は豊富です。

 

一方で、リモートワークが定着することによって、東京であっても賃貸需要に陰りがみえてくるのではないかという意見もあると思います。

 

確かに、東京にいなくともリモートワークができるため、家賃も安く、部屋も広い、地方や東京郊外に移住する人が増えるのではないかと不安になると思います。(都内物件を所有する僕も当初は不安でした・・・。)

 

しかし、リモートワークは定着しつつも、完全移行している会社はほぼありません。

リモートワーク中のセキュリティ管理や不慣れなシステムへの対応がある中、対面によるコミュニケーションの重要性、必要性が多くの企業で再認識されている状況です。そのため、将来的にリモートワークが完全に定着することは難しいと思います。

一定日数の出社が義務付けられるのであれば、わざわざ通勤に不便な地方や東京郊外に住まいを構えるでしょうか。

実際、リモートワークによって通勤時間の無駄が明らかになり、職住近接の傾向が高まったという調査結果もあります。

 

また、そもそも東京23区は通勤の利便性だけではなく、生活の場としても魅力にあふれています。
買い物や多くの娯楽施設が日本で最も集まっており、大型再開発も次々に計画されています。地方や東京郊外に住まいを移してしまえば、こうした楽しみも失われてしまいます。

仕事の観点だけで地方、東京郊外に住むという選択は考えづらいと思います。

 

今回のような事前に想定できない事態は、これからも起こり得るでしょう。

それでも、東京の賃貸需要は、変わることはありません。

 

まとめ

投資エリアに賃貸需要があるといっても、ひとつの賃貸需要だけに頼っていては収入も不安定になりがちです。

安定収入を得るための大切なポイントは、物件を投資するエリアに賃貸需要の『多様性』があるかどうかを見極めることです。

賃貸需要の多様性があり、都市の魅力にあふれる東京23区こそ、安定した資産形成の場に適しているのではないでしょうか。