認知症とお金の関係とは?
仮に親が認知症になった場合、どのような事柄が心配ですか?
日本の高齢化は加速度的に進展しており、現在も世界一の長寿国としての地位を保っています。
これは医療技術の進歩をはじめ、多くの社会的支援が充実したことにより起こった現象であるため、大変喜ばしいことであり、誇りに思うべきだと僕は考えております。
すでに「人生100年時代」という考え方が普及してきており、100年生存を前提にライフプランを設計する人が増えてきているとも言われています。
しかし、たとえ100年生きるとしても、それが「ずっと健康である」とは限りません。高齢化に伴う三大疾病(がん、脳卒中、心疾患)の有病率の向上リスクもありますが、僕が特に注意しなければならないと考えているのが「認知症」です!
認知症は現在5人に1人が罹患すると言われています。
ここで皆さんにもう一度、聞きたいです!
「仮に親が認知症になった場合、どのような事柄が心配ですか?」
おそらく多くの人は
・介護者の疲労
・徘徊による事故
・無自覚による暴力
・急な感情の爆発
などを最初にイメージするのではないでしょうか?
もちろん、上記事項は当然に起こることだし、重大事です。
しかし、皆さんは以下のことを考えたことはありますか?
・銀行口座からお金が引き出せなくなる
・相続対策ができなくなる
・持ち家が処分できなくなる
など・・・。
金融機関は、親族間のトラブル回避や認知症患者の詐欺被害を防ぐため、口座名義人が認知症であることがわかった際には、一時的に手続きをストップさせます。
そのため、たとえ家族であっても①預金口座からのお金の引き出し、②保険の解約返戻金の請求や受け取りなどが困難になります。
また、介護施設に入居するために家を処分することや、遺言などの相続対策もできなくなります。
その結果、親の生活費・介護資金を家族が負担しなければならなくなったり、相続対策が自由にできなくなったりして、想定外の事態に陥ってしまいます。
親が「家族には絶対に迷惑をかけない」という想いで、貯金や資産を保有していた場合でも、認知症の問題を理由にそれらを有効に活用することができなくなるのは、本末転倒です。
親の認知症に対し、お金の問題をおろそかにすると、いざというときに取り返しがつかない事態になります。
そのため、認知症に関わるお金の問題についてもっと関心を持つべきだと僕は思います!
では、どうすればいいの?
対策として僕がオススメしたいのが、「家族信託制度」の活用です。
※過去記事
家族信託は、万が一、認知症になった場合に、親の財産を介護費用などに使えるよう、
子どもなど信頼できる人に財産の管理を任せることができる制度です。
家族信託の一番のメリットとしては、
銀行口座や不動産、金融商品などの資産凍結対策ができることです!
家族信託は、家族の将来の問題を解決し、精神的にも経済的にも豊かな生活を実現するための手段です。
ご両親との関係を考えれば、話しづらいこともよくわかりますが、
家族の将来のために行動をとれるのは、家族信託を知る子供たちの世代です。
認知症になってからでは、家族信託は利用できません。、
親が元気なうちに、家族の将来について真剣に話し合ってみるべきだと思います。